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You-us レク講師の活動報告ブログ

『臨床美術』~形に心に残る夏の想い出~

アート
教室名:「臨床美術」(月1回開催)
実施施設:多摩市内のデイサービス 様
開催日:2016年7月26日
レク講師:伊與田先生

「臨床美術」とは、独自のアートプログラムに沿った創作活動を通じて認知症の
症状改善を目的として開発されました。
医療・美術・福祉の壁を超えたアプローチが特徴です。
では、講師の伊與田先生の活動レポートをご紹介します。
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●本日やった内容
「アナログ団扇」
夏の風物詩のひとつ団扇に、扇筆という珍しい筆も使い、その魅力を
存分に楽しみながら、それぞれがイメージする夏の風や眩しさ、涼しさなどを
表現してオリジナル団扇を作りました。
臨床美術
●参加者さんの感想
今日は、初めて参加された方が2名いらっしゃいました。
おひとりはゆっくりと面白い曲線と優しい色で描かれ、もうおひとりは力強い
直線と色で描かれました。
最後に「楽しかった」「面白かった」とおっしゃり笑顔で戻られました。
次回も参加して下さると嬉しいです。

臨床美術
●講師の感想
毎回、「描いたことないから出来ないわ」とおっしゃる方ですが、
今日は特に気が進まないご様子で「見ているだけにするわ」と頑なに何度も
おっしゃっていらしたので「大丈夫ですよ、ご一緒に描きましょう」と
申し上げると、しぶしぶ筆を取り描き始めて下さいました。

その後は、「このピンクをここに塗りたいわ」「この色はどこに入れようかしら」と
おっしゃりながら勢いよく制作され、鮮やかな色調のモダンな団扇を仕上げて
下さいました。
臨床美術
もうおひとり「やったこと無いからわからないし出来ないよ」と毎回
おっしゃる方が、今回はそうはおっしゃらず、和テイストの渋い団扇を
スムーズに制作されていらしたのですが、
「初めてなんですが、あなたは何回目ですか?」と隣の方に聞いてらっしゃいました。
今日のことも忘れてしまうかもしれませんが、制作後には必ず笑顔を
見せて下さいますし、ひと時でも楽しんで頂けたのなら良かったと思い、
作品を見て何か少しでも思い出して下さる時があれば嬉しいと思うのです。

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“他人に見られるのは恥ずかしい” “上手くないから”などと
意外と絵画美術は尻込みしてしまう利用者様は多いのではないでしょうか。
“でも実はやってみたい”を引き出し、高齢者心理をわかっている臨床美術士と
形に心に残る夏の想い出を描けたのではないでしょうか。(村瀬)
詳しくは→http://www.you-us.jp/activityservice/programlist/program-02-1